プラントの維持に不可欠!定修とは何をするもの?

プラントを所有する企業の定修実施は法律に基づく義務
工場のプラントが常時稼働できる状態を維持するためには、「定修」とよばれる作業が不可欠です。この定修は「定期修理」の略称で、定期的に実施されるプラントの大規模な修理工事のことを指します。プラントを持つ企業は法律の規定により、原則として年に1回、経済産業大臣から認定を受けた場合はプラントの種類に応じて2~8年に1回、設備をすべて停止して定修を実施することが義務となっています。工場では石油や天然ガス、化学薬品などといった取り扱いに注意が必要なものを大量に取り扱っており、不具合が発生し、それが原因で事故が発生すると大きな被害がでるおそれがあります。このような事態の発生を防ぎ、プラントを安定かつ安全な稼働を確実にするために実施するのが定修です。
定修は点検作業の結果に基づいて計画的に実施される
工場の定修は複数の工事から成り、工期が全体で数ヶ月におよぶこともある大掛かりな作業です。最初に行われるのは点検作業で、稼働中には行うことができない箇所も含めてプラント全体の点検を行い、結果をもとに工事の計画を立てて作業にとりかかります。そのまま稼働を続けると故障する可能性がある場合は修繕や部品交換を実施し、安全性や効率に問題がある場合は設備の改造を行って解消を試みます。プラント内部にたまっている汚れは、ジェット洗浄装置やバキュームカー、薬品の使用などによって取り除きます。どの工事も厳格な管理のもとで複数の専門業者によって行われ、設備が大型であるほどたくさんの人が関わることになります。
定修は、工場内の設備を正常な状態に保ったり、生産効率の低下を防いだりするうえで不可欠な業務と言えます。